装置デモには構造的な問題があります。デモを実施する側が、その採点も行うという点です。基準を定めないままにしておくと、デモはその装置が得意なことへと自然に流れていき、報告書は「見栄えのする断面写真と、条件が明示されないまま測定された立派な数値」という形で届きます。
対処法は、デモを「事前に計画を登録した実験」として扱うことです。以下はすべて、最初の 1 枚を処理する前に書面で合意しておく項目です。
何を実証するのかを合意する
デモが実証しうる内容にはいくつかの水準があり、それぞれ設計が異なります。
- 実現可能性(フィジビリティ)——そもそもこの構造が作れるのか。ウェーハ 1〜2 枚、公差は緩め、探索的なレシピ。
- 能力(キャパビリティ)——仕様どおりに作れるのか。お客様の形状、お客様の受入指標を、正しい方法で測定します。
- 再現性——仕様どおりにもう一度作れるのか。複数枚、できれば別々のランにまたがって処理し、ばらつきまで報告してもらいます。
トラブルの多くは、実現可能性のデモが能力の実証として読まれたことに行き着きます。どの水準のデモなのかを、明示的に呼び分けてください。
サンプルとマスクを確定する
結果は装置と同じくらい、パターンレイアウトに左右されます。以下は双方で決めておきます。
- どちらのマスクを使うか。お客様の実レイアウトか、重要な形状(最小ピッチ、最大開口面積、最悪アスペクト比)を代表する、合意済みの代替パターンか。
- 実際の積層構造に合わせた基板種——バルク、SOI、貼り合わせ。ノッチングのような界面起因の現象は、実際の積層でしか現れないためです。
- 処理枚数と、そのうち何枚をレシピ立ち上げ用の捨てウェーハとし、何枚を結果に算入するか。
実レイアウトが機密であれば、NDA と代替パターンの取り決めが先です。機密性のある設計データを通常の問い合わせ窓口から送ってしまう事故は、どれほど良い結果をもってしても取り返せません。
成功指標を文章にする
各指標には 3 つの要素が必要です。数値、測定方法、そして測定位置です。深掘りシリコンエッチングでは、通常は次の組み合わせになります。
| 指標 | あわせて明記すること |
|---|---|
| 深さと均一性 | ウェーハ面内の測定点、センター/エッジの定義 |
| プロファイル角度 | 側壁のどの位置で測るか、ボーイングとノッチングの許容値 |
| CD ロス/マスクアンダーカット | 基準寸法と測定手法 |
| スキャロップ/表面粗さ | デバイスが問題とする場合のみ。その場合は測定手法も |
| 選択比 | 実際に使うマスク材料と膜厚に対して |
| エッチングレート | 上記条件を満たした状態での値。切り離して報告しない |
最後の行が最も重要です。レート、プロファイル、均一性は 1 つの動作点であって、独立した 3 つの達成事項ではありません。
データの形式を先に決める
報告書の形式を事前に合意します。要約平均だけでなく生の測定表、測定位置を明記した断面画像、記録されたラン条件。うまくいかなかったケースも出してもらってください。コーナーケースまで見せてくれるラボは、プロセスウィンドウが実際にどこにあるかを教えてくれています。
再現性は別の問いである
良好なウェーハが 1 枚あれば、その動作点が存在することは示せます。しかし次の 100 枚については何も語りません。量産を見据えたプロジェクトであれば、ラン内のウェーハ間データを、日程が許せば日を変えたラン間データまで求めてください。チャンバーコンディショニングやファーストウェーハ効果は実在します。それに出会う場所は、自社ラインよりもデモの段階のほうが望ましいはずです。
デモは取引先を見極める場でもある
デモの定義段階での振る舞いは、量産で問題が起きたときの振る舞いを予告します。測定できない基準にきちんと異議を唱えるか。条件を正直に記録するか。「それはできません」と言えるか。成功基準の擦り合わせに真剣に向き合うサプライヤーは、自社のエンジニアリング文化を見せてくれています。そこを見てください。
当社は、書面化した成功基準・サンプルの物流手配・体系立てた評価報告書をセットにしてデモを調整します——評価についてご相談ください。
